インタビュー | Supersize me

Hinose (left) and Shinsuke (right) of Supersize me.

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羊水に浮かび母の温もりに包まれながら賛美歌に微睡む恍惚。

京都のサイケデリック・ドローンプロジェクト Supersize me の産み出す音像は、宗教的な畏敬の念と同時に原初的な憧憬を喚起する。

他に類を見ない独特な音色・音像を持ったサイケデリアにより、既にUKの老舗・FatCat Records でピックアップされたり、USのエクスペリメンタル・バンド of Montrealのサポートアクトに抜擢されたりと国外からも注目を集めている彼らだが、「神学的な思想に基づいて作曲しているらしい」という情報も含め彼らの音像自体と同様に掴み所がない。

今回BNUはそんな Supersize me の中心人物、Shinsukeをキャッチし、バックグラウンドや京都のシーンについて投げかけてみた。

BNU: Youtubeで京大でのライブ映像を見たのですが、あなた方は5人とも大学で出会ったのですか?Supersize meのコンセプトが決まって演奏を始めるまで、どれくらいの期間がかかりましたか?あなた方は全員が同じビジョンを持って活動をしていますか?それとも、メンバー同士の違ったテイストが混ざり合った結果として今のサウンドに辿り着いたのでしょうか。

そもそも、Supersize meはレコーディングプロジェクトとして始まったのですか?それともライブバンドとしてですか?

回答: Supersize meはレコーディングプロジェクトとして2012年に発足いたしました。

録音する楽曲の音像に合わせ、メンバーを探しつつ制作を行ってきました。

ライブ・パフォーマンスのためのメンバーはその後1年ほどで固まり、ライブ活動を開始しました。

京都大学でのライブ映像はちょうどその頃のものです。

当初から宗教的な営みや心象風景といったものに強い関心を抱いており、そこから徐々に現在の私たちのコンセプトに収斂していきました。

BNU: あなた方の曲からは中世の教会や合唱、または古い大聖堂に入ったときに感じるような畏敬の念が想起されます。これはシンセか何かだと思うのですが(例えばNicholas Szczepanikのこの曲に近い感覚を感じます 、こういった音自体もあなた方が掲げるネオプラトニズムのフィロソフィーや文学性、またはスピリチュアルな部分が音楽に反映された結果なのでしょうか。

回答: 仰る通りです。

私たちは内在しつつ外在する「存在」に目を向け、音作りを行ってまいりました。

この音は私たちにとって、原初的な心象風景に立ち還るための音です。

BNU: 京都は古の首都で、数多くの寺社の総本山もあり、日本におけるスピリチュアルの中心だと思います。また、そういった歴史や伝説の類も大切に保存されていますね。

そういった環境はSupersize meの音楽に何らかの影響を与えていると思いますか?この物が飽和する時代、あなたはそれらの発見を毎日新鮮に感じていますか?それとももうこの状態に慣れてしまっていますか?

回答: 京都という場所は歴史や宗教的なものに立ち返ろうという空気が他の地域より強いように感じております。私たちも普段は強く意識することはありませんが、そういった空気に突き動かされ、過去の思想や芸術といった営みに立ち返るのかもしれません。

BNU: “Immanence”と“Slouching Towards Bethlehem”で、録音の部分に大きく違いを感じ、バンドのコンセプトがより明確に表現されているように感じます。音楽自体はフォーカスの甘いLo-Fiな録音が施されていますが、それでも“Slouching Towards Bethlehem”のほうがクリアです。

“Slouching Towards Bethlehem”の制作時のアプローチを教えて頂けませんか?

録音プロセスはどの曲も基本的に同じなのでしょうか。また、録音後のポスプロの部分はどれくらい手を加えるのでしょうか。

回答: “Slouching Towards Bethlehem”は前作に比べて和音の重なりや倍音の響きをより鮮明に伝えることを重視しました。ギターのストロークに関しても、サステインを長く保つよう意識しました。音域についてもより広がりを持たせ、包み込むような音の重ね方を追求しました。

録音プロセスは「リズム」や「バッキング」といったセクションに分け優先順位をつけることはせず、主となるトラックから録り進めレイヤーを重ねていくという形になっております。

制作期間のほとんどを録音素材の編集(ミックス・マスタリング)に費やしました。柔らかい幽鬱さを湛えた音の重なりを作るため、トラックに様々な工夫を施しております。

BNU: UKのFatCat レーベルとはどのように繋がったのでしょうか。海外からのリリースというのは、Supersize meが元々希望していたのでしょうか。

回答: SoundcloudのDemo Siteに音源“Mother”を投稿したところ、FatCatのスタッフから返信があり、そこからやり取りが始まりました。その後、Weekly Demoに取り上げていただき、様々なレスポンスをいただきました。

海外レーベルからのリリースはまだ行っておりませんが、Bandcamp上で海外のリスナーの方に音源を販売させていただくことは多々ございます。今後、海外レーベルからのディストリビューションを進めていければと考えております。

BNU: Youtubeの動画で見たところ、ライブでは録音に比較してよりラウドでテクスチャーも粗く、ギターはノイズに近づいています。それはSWANSやSonic Youth、裸のラリーズとの親和性も感じられる一方で、録音ではそういったノイズの側面は示唆される程度であり、全体的にもっと丁寧に提示されています。

これは、録音の方をソフトにしようとした結果なのでしょうか、それともライブをよりラウドに、ノイジーのしようとした結果なのでしょうか。構造的にどちらに寄せることも可能である用に感じますし、僕には録音の方で装飾を剥いで、ライブでのノイジーな側面の要素を提示しようとしているのでは?と感じていますが、如何でしょうか。

回答: 私たちは音源とライブをまったく別のものとして捉えており、その違いはそれぞれの聴取のあり方を踏まえた上でのことです。

どちらもリスナーを包み込むことを志向しているという部分では同じです。音源では個々人の心象風景、或いは神経細胞に直接訴えかけるようなものを意図しているのに対し、ライブではその場の雰囲気や構造を看取した上で、それを塗り替えるような音作りをしてきました。

現在はそういった部分も残しつつも、音の重なりや住み分けをより意識した演奏形態で行っております。

BNU: あなたが地元でよく対バンしているのはどのバンドですか?普段、いわゆる”シーン”のようなものの中で活動されていますか?それとも全く違うジャンルのイベントに飛び込んで行くことが多いですか?

回答: 私たちは特にシーンというものに所属しているという意識はございませんが、幾つかのスペースでお世話になっております。そこで様々なパフォーマーと共演させていただき、刺激を受けることも多いです。

BNU: 最も影響を受けたバンドは誰ですか?また、海外ツアーをするとして誰と共演したいですか?

回答: バンドではありませんが、William Basinskiから受けた影響が最も大きいです。彼の描く音の風景に衝撃を受けたのが、今のプロジェクトを始めた一つのきっかけでした。

もし叶うのであれば、Ian William Craig、Sean McCann、Jason Lescalleetといったアーティスト/ユニットと共演したいです。

BNU: 現在バンドで取り組んでいることは何ですか?また、来年はどんなことを計画しているのでしょうか。教えて下さい。

回答: 新作の録音に着手しております。また、来年3月に京都木屋町にあるUrBANGUILDにて主催イベントを開催いたします。

Supersize me’s catalog is available on bandcamp. Follow the band on Facebook or Twitter for release and tour information.


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