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Published on September 7th, 2016 | by Yoshi

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緊急対談 青木ロビン(downy) x Taigen Kawabe(Bo Ningen) 前編

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2013年に発表した第5作品集が9年のブランクを感じさせるどころか前人未踏の地平まで提示し、国内外にその存在感を再度見せつけたdownyの青木ロビン
2007年にイギリスで結成され、メンバー全員が日本人でありながらイギリスを拠点に世界で活躍し、Primal Screamとのツアーや、先日のFuji Rock・White Stageでの白熱のステージも記憶に新しいBo NingenのTaigen Kawabe。

今回、Fuji Rockを含めた国内でのツアーのために来日(帰国?)していたTaigenのイギリス帰国前夜、渋谷・月ミル君想フにて両者が共演した弾き語りイベント『逃げ水に映した青』のリハ直後に、非常に貴重な対談が実現した。

以前からジャンルを超えてBo Ningenに注目していたと言うロビンと、高校時代からdownyの大ファンだったと語るTaigen。

終始和やかなムードの中、両者の出会いから楽曲の制作のプロセス、現在刺激を受けているアーティストやジャンル、さらにはボーカルとしての葛藤まで、国内外で唯一無二、孤高の存在感を放ち続ける両者だからこその多岐にわたる話を訊くことができた。

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フェス中にWi-Fi入れたら『おめでとうございます』って(笑)

― まず、お二人はいつお知り合いになられたんですか?

青木ロビン(以下、ロビン) リミックスの前から、Facebookとかツイッターとかでやりとりしてんじゃない?

Taigen Kawabe(以下、Taigen) いや、リミックスのときじゃなかったすかね。

ロビン あぁ、リミックスのときにやりとりしたのか。

Taigen そうそう、リミックスを送った時に、応募してくれてありがとうございます、みたいなのが来て。

ロビン どうもどうも、みたいになってね。

Taigen そこでですね。で、Bo Ningen知ってますみたいな感じで言ってきてくれて。

ロビン そうだそうだ。

― ロビンさんも驚かれたんじゃないですか、Bo NingenのTaigenさんから来たー!みたいな。

ロビン でも結構いたよね、ミュージシャンが。びっくりした。

Taigen 次点がスグルくん(HIRONAKASUGURU/Skillkills)でしたっけ。お互いベーシストで(笑)

ロビン そうそう、スグルちゃん。

メンバーにもたぶん出来レースじゃないかって冗談言われつつ(笑)

― Taigenさんはどういうテンションとか気持ちで応募されたんですか?

Taigen レコーディング中だったんですよ、僕。セカンドか何かをレコーディングしてて。サードかな?
でオーストラリアに行かなきゃいけなかったんですよ。それが終わって。
ぶっちゃけ、やべぇ、時間がねぇ、って感じだったんですけど、とりあえずやりたかったんで休憩時間にとりあえず録って素材だけは作っといたんですよ。
で、オーストラリアに向かい、飛行機の中でビート組んで、、、

ロビン はは、すげぇな(笑)

Taigen いや、そんなことやったことなかったんですけど(笑)
でもホントどうしても応募したかったんで飛行機の中でビートを組み。
でオーストラリアに着いて Big Day Out ってフェスっだたんですけど、あれすごい良くて。
2週間の滞在で半分オフなんすよ。

ロビン いいねぇ


Taigen 行っていきなり初日ビーチの目の前でオフみたいな。

ロビン なんかツイッターに上がってたよね。

Taigen ホテルがめっちゃいいとこで10何階で、地平線が見えるみたいな。
ロンドンの曇ったスタジオで寒く自分の声ばっかり聴いて、うわぁ、みたいになってたところから。飛行機で仮組ができてたので、そこで部屋で海を見ながら(笑)

ロビン (笑)

Taigen 気分一新で。でもスピーカーもないし、ヘッドホンと部屋にあったラジオのスピーカーみたいなのですごくラフにやったんすけど。
波の音とか使いましたよ!
夜、ドラマーが寝てたんで外でやってたんですけど、ザーとか聴こえてくるから。
途中でブレイクに入るとこで、、、

ロビン あ、なんかサーって鳴ってるよね!

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Taigen あれは一応波の音をそのままパソコンで録って(笑)
なんで逆に家で作るよりミックスも荒い感じで。今聴くと全然Hi-Fiじゃないんですけど、やれることをやろう、て思って。
で送って、「ありがとうございます」って来て。

― ツイッターか何かでですか?

ロビン Facebookだったかな。

Taigen で、フェス中に控室に戻ってWi-Fi繋いだらなんか「大賞です!」みたいなメールが来て(笑)

ロビン そうそう、よろしくね!って(笑)

Taigen あー!ってなって(笑) メンバーにも、たぶん出来レースじゃないかって冗談言われつつ(笑)

ロビン 周りにもやっぱり知り合いだと思い込まれてたから、「なんだよー」、みたいになってて。
いや、ちゃんと聴けよ!て(笑)

Taigen (笑)

Taigen あれ、何曲くらい来たんですか?

ロビン 結構きたよね、200何曲とか。聴くのも結構大変で。

Taigen ですよね、メンバー全員で?

ロビン そう、みんなで聴いて、最初10位くらいを出して、そこから絞っていって。

Taigen それは、誰が先に引っかかってくれたんですか?僕のに。

ロビン みんな10位中の5人くらいは一緒で、そっからさらに絞ってみんなで聴き込んで、誰にしよう、みたいに。

 

Taigen そうですよね、それがほんとに最初でしたね。

ロビン そう、最初。でそのあと諸々、コメント書いたりとか。

Taigen そうですよね、コメント書いてもらったり、とか海外でこんなレーベルが、とか。

ロビン 熊谷でライブした時に。顔を直接合わせたのは初めて。

Taigen 結構予定がガヤガヤしてた時で。あ、でもこの日ならいけるけど東京じゃねぇぞ、って思ったんですけど、まぁ品川から2時間はかかんないでいけるし、イースタンユースだったじゃないですか。

ロビン さらにね。

Taigen なんだこれは、ちょっとこれは無理してでも行かなきゃいけないと思って。
そこでちゃんとご挨拶したんですよね。

ずっとロンドンにいるのにそんなに染まらねぇもんか、くらい(笑)ちゃんと確固たるものがあってさ

― Taigenさんに伺いたいのですが、UKでdownyってどんな風に受け入れられてるんですか?

Taigen 僕、ちょうど再稼働した時、その(5枚目が)出るって知らない時にDJしてて、downy、まさに猿の手柄をかけてたんですよ。そしたらイギリス人が、俺もすごい好きでさー、ていうか再結成するんでしょ、みたいなことを言われて。

ロビン そいつから聞いたの?面白い(笑)

Taigen え、知らない、みたいな。そうなの?って(笑)
僕、downyの括りをポストロックにしたくはないんですけど、イギリスだとやっぱりポストロック人気ってありまして。しかも意外とイギリスって日本のポストロック好きなんですよ。

ロビン うん、なんかいうよね。

Taigen アメリカはアメリカのポストロックがあるじゃないですか、シカゴ的なね。
けどイギリス人ってそっちも好きだけど、どちらかというと日本のポストロックのほうが意外と好きで。ToeとかLITEとか。
なんで結構それが好きな人に引っかかってることもあるんですけど、個人的にはもっとポストロック好きというところ以外にも広まってほしいというか。
僕はそこの括りだけでdownyを見てないので。なんかそこに引っかかるだけの現状に、もったいないというか。
Bo Ningenもそうですけど、カテゴライズするような音楽じゃないと思うので。

ロビン ま、そうだよね。難しいんだよね、それもね。

Taigen そうですよね、逆にそのシーンに入らない方が、売り込みというか最初が難しいと思うんですけど。

ロビン なんかだから、活動再開する前、4年やってた時も外国からのオファーも凄い多かったの。ライブとかレーベルとか。
なんか俺らはそれやっちゃうと、日本では洋楽扱いみたいなのされちゃうし。
ライブ行こうにもプロジェクターもあるし、行って実際に映像出せなかったりしたら難しいから。
今みたいにYoutubeとかもなかったからさ。

Taigen そうすよね。

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ロビン 行ってみたらアンプが1台しかなかった、とか聞くから(笑)
そんな危ない橋を渡るよりも、まずは日本で地盤を固めていこうやみたいな感じだったの。
でも、オランダのカレッジチャートに入ったりとか、スウェーデンの国営放送が取材に来たりとか。1日密着みたいな(笑)
なんだこれ?とか思いながら(笑)
その時はそこにこだわってなくて。今思えば本当に行っとけば良かったとか思うんだけど。
復活してからの方が声かけてもらえてないからさ(笑)

Taigen 多分、それはまだ復活したっていういのが、その時に聴いてた人がまだわからなかったりするから。

ロビン まぁそうかも知れないね。だからアクションをこっちから起こさなきゃって思ってるところもあって、6枚目のアルバムで色々やってるところなんだけど。
あと外人多いよ?こっちでライブやっても。ちゃんと日本の音楽としてアンテナはってくれてるなって。
Bo Ningenもそうだと思うんだけど。音もすごく日本的だし、ずっとロンドンにいるのにそんなに染まらねぇもんか、くらい(笑)ちゃんと確固たるものがあってさ、それが最初自分のアンテナに引っかかって。格好良いなっていうのがそこで。


個人的には系統としてはあぶらだこ側だと思ってますよ。

Taigen downyも日本ってあるじゃないですか、歌詞もそうだし。
でも聞こえ方が、外人からすると何語かわからないじゃないですか。
日本人から聴いても英語との、発音だけで聴くとね。みたいな。
そういうところも、大学のサウンドアートやってた時にクラスメートにdowny色々聴かせたんですけど、なんか反応が面白くて。
なんかその、Radioheadみたいな感じなんだけど、でもやっぱりRadioheadって多いんですよね、フォロワーみたいな人たちが。それとは違う、なにかエキゾチックというか日本のものもあるし、面白がってというか。なんか聴いたことないぞ、って。

ロビン ちゃんと日本ぽくやってるんだけどねぇ、個人的には。

Taigen なんかそれがすごい良くて、力になるじゃないですか。違うところというか。

ロビン 系統としてはあぶらだこ側だと思ってますよ。系統としては。どっちかっていえば。

Taigen そうですね、あぶらだこと系統は違えど両方シュールレアリズムというか(笑)

ロビン そうそうそう、ポストロックって言葉よりもね、そっちのほうが大事。
それしか言いようがないってのもわかるんだけど、なんかもっといいネーミングあったら、つけてほしいなって(笑)

いつも自分たちの首を絞め続ける。演奏も、新譜も、毎回やっぱり越えてかなきゃいけないから。

Taigen でもdownyはdownyって感じなんすよね。フォロワーが絶対に越えられない芯みたいなものが。

ロビン だったらいいんだけどね。
まぁいつも自分たちの首を絞め続ける。演奏も、新譜も、毎回やっぱり越えてかなきゃいけないから。どんだけ練習すんねん、みたいな(笑)

― まったくどうやってるかわからなくって、今作でもそれが深まってる印象を受けますよね。

ロビン 個人個人がそこに特化してるっていうか、個が集まって一個になるみたいな感じだから。

― 強烈にストイックさを感じますしね。



ロビン 割と面白いけどねみんな、しゃべると(笑)
とっつき辛いっていつも思われるけど。

― お話ししてみて、思ってたよりだいぶ気さくな方だって最初驚きました(笑)

ロビン 昔はこんなでもなかったと思うんですけど、どうやら(笑)

Taigen それ自分でも言ってましたもんね。

ロビン 周りが言うからさ。自分はもともと社交的な方なの。
人のライブにもガンガン行くし。
社交性は高い方だと思うんだけど、そのあとの表現がちょっと色々(笑)、どうだったのかわかんないけど、やっぱりとんがって映ってたから。
もちろんさ、大切なところはとんがんなきゃいけないんだけど。

Taigen 音楽性とステージングと、イメージはありますからね。

ロビン やっぱりでもさ、復活してから、ずっとシャットアウトしてた音楽人生をもう一回始めたわけだけど、それこそ最初、小林くん (Yusuke Kobayashi / The Novembers) じゃないかな、プロデューサーのオファーがあって (The Novembers 4th Album “zeitgeist” に青木ロビンプロデュース曲収録)、メールだとか電話とかで話すんだけど、めちゃめちゃ丁寧で。自分は若いころこんなに丁寧じゃなかったって思って(笑)
みんな丁寧じゃん、今の若い子って。

Taigen (笑) まぁ確かに。

僕の中で自分の好きな音楽をやってる人で、がっかりしたことないんすよ。

Taigen でもなんか僕、ちょっと話それちゃうかもですけど、ポップミュージックを好きな一般の友達とかで、実際その好きなアーティストに会ってみたら私生活も含めてすごくショックを受けたとかいう人が多いんすけど。
まぁ僕が男だからかも知れないすけど。
まぁバンドマン、良くない方とかもいらっしゃるじゃないですか、女癖とかね

ロビン うんうん。

Taigen まぁそれは置いといて、僕好きな音楽やってる人に実際本人に会って仲良くなってバンドとかやって対バン、今回みたいに対談とかして、毎回それでメイクセンスというか。
生活、性格、音楽、音、パフォーマンスで、自分の好きな音楽をやってる人で、がっかりしたことないんすよ。
もちろん変な人ばっかなんすけど、けど、そこがちゃんとつながる感じ?

ロビン そうだね。大事なところがちゃんと引っかかる!じゃないと。

Taigen だから、逆に丁寧すぎる、キレイすぎるっていうだけだと、女の子じゃないけど、この人いい人なんだけど、みたいなとこで止まっちゃってるミュージシャンが日本多いから。
イギリスは真逆で、もっとしっかりしなきゃいけないよ、君はプラスアルファがあるのに基礎がない、みたいな。日本人は基礎があるのにプラスアルファがないってのが多いので。
僕はあっちに行って日本の良いとこ悪いとこ、あと海外の良いとこ悪いとこを両方、ま、反面教師のが多いんですけど、すげぇ惰性でやってるやつらを見て、いや全力でやらんといかんだろと。
そこはすごく感じて。
特に今の日本の若いバンドが、大人しい、ていうかちゃんとしてる、ていうのも良いとこなんすけど、それがちょっと音・パフォーマンスに表れ過ぎて、ぎゅっと収まっている感じもちょっと感じますね。
真逆な人もいっぱいいますけど。
(後編に続く)



downy 新作制作時の話や、両者のボーカリストとしての葛藤などまで赤裸々に語った後編はこちら!

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Story by Yoshi and The Beige Baron with Eri Shimazaki. Translation by Laura Chan and Umeki Yasutomo. Interview photography by Takuya Okada. With thanks to Mie.


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