Interview: PALM

PALM_8日本の音楽を深く掘り下げようとしたら、その激烈さと強烈なオリジナリティにより、大阪のダークハードコアバンド・PALMは避けて通れない。

彼らの音楽は、灼けつくようなクラストからストナー/ドゥームのヘヴィなグルーヴ、そして首がへし折れそうなグラインドコアの間を目まぐるしく飛び回り、聴き終わった後にはマイクタイソンと10ラウンドやりあった後のような感覚が残る。

狭く、汗の匂いが充満する地下のスペースで彼らのライブを味わえば、それはちょっとやそっとでは忘れられない体験になるだろう。

そして彼らはまた、Raging SpeedhornやConverge、Nails、そしてBlack Breathといったバンド達とステージを何度も共にし、海外でもブレイクしている数少ない日本のバンドでもある。

今までにヨーロッパやアジアの国々を回り、US、また、オーストラリアにも3度ツアーで来ている。

PALMは驚くべき精度でライブのエネルギーを録音に封じ込める。

2枚のアルバムとも、特に2012年発表のMy Darkest Friendsは、オリジナリティあるヘヴィな音楽を嗜好する全ての人にとっての必聴盤だ。

しかし、前作「The Unusual」が7インチで発表されてから既に2年もの歳月が過ぎてしまっている。

そこで、BNUメンバーはボーカルのTakahashiにコンタクトを試み、新作についての情報を尋ねてみた。

Palm結成は2000年と伺いました。つまり今年で15年目にあたると思いますが、もともと何がキッカケとなってバンドを結成されたのですか。また、その当時から、あなたがメンバーとともに表現し、達成しようとするビジョンに変化はありましたか?

PALMを始める前に俺はいくつかのBANDで既にプレイしてたんだけど、どれもあまりしっくりこなくて新しいBANDを探していた時に、もう今は辞めちゃっていないけど当時のPALMのオリジナルギターと出会って意気投合してPALMを結成したよ。

結成当時のビジョンは俺とそのギタリストが共通で好きだったPANTERA、SLAYER、SEPULTURAみたいにとにかくヘビィーなバンドを作ろうって事だったと思うよ。

結成当初はそのギタリストの奴がメインで曲を作る事が多かったんだけど、でも俺はそれ以外にもハードコア、パンク、ドゥームみたいな音楽も大好きでもっと生々しくて色々な要素をもったバンドがしたくて俺もどんどんそういった要素がある曲を作っていったんだ。

ギタリストの奴はPALMをもっともっとプログレッシブなメタルバンドにしたかったと思うんだけど、俺はもっと荒々しいサウンドにしたくて結局そこで意見が別れちゃって彼は辞めたんだ。

10356320_822462631124336_2785648514091661346_nそっからはどんどん今のPALMのサウンドに自然になっていった感じだね。

何かを達成する目標というよりも、当時はまず沢山ライブがしたくてツアーをしたり、スタジオに入ったり、とにかく本当に自分がやりたいバンドで活動ができる事に喜びを感じてたよ。

あなたはこれまで海外の国々をまわり、また国内でも年に数多くのライブをされてきました。しかしそれに比べ、録音の方はフルアルバム2枚と数枚のEP、それも限定された数量のリリースでしたよね。あまり多くの録音を残されないのには何か理由があるのでしょうか。

それは単純に俺達がただ怠け者だからかもしれないな(笑)

本当はもっと数多くの音源を作って残したいけど、とにかくメンバーが替わる事が多くて活動ができない期間もあったし、ライブばっかりやってたら全然新しい 曲ができなかったり要因は色々だね。

でも今は昔に比べたら落ち着いたし最近はスタジオで沢山の曲を作ってるよ。来年初頭には新しいアルバムをリリースする予定だし、これからはそう思われないようにもっとコンスタントに音源をリリースできるように頑張るよ(笑)

レコーディングについて話をきかせてください。2012年発売のMy Darkest Friendsは、これまた日本の素晴らしいバンドであるCyberneのAkiraによってレコーディングされ、さらにConverge/BaronessのAlanによってマスタリングされていますね。そのようになった経緯と、それによって目指した音の方向性を教えてもらえますか?また、その結果の録音に満足していますか?

サウンドに関しては今までリリースしたどの音源よりもとにかく生々しくて、ヘビィーな音の塊がスピーカーを突き抜けてくるような作品にしたかったんだ(笑)

CYBERNEのAkiraとは個人的に10年以上の付き合いがあって、何度も一緒にライブで共演した事もあるし、2人でよく音楽の話、サウンドの話をする事もあって今の俺達がやりたい事、目指しているサウンド、趣味趣向も近いから自然と彼と一緒にやる事になったね。

マスタリングに関してはこれまで海外の人にお願いした事がなかったから、彼等が作品に携わる事によってどういったサウンドに変化するのか凄く興味があったし、挑戦という意味でお願いしたよ。

今振り返るとやっぱりこうしておけば良かったかな?とかは少なからず色々あるけど、結果としては凄く満足してるよ。

最新作は2014年に7インチでリリースしたEPですね。この作品であなたは何か違うことを試そうとされましたか?

この作品は2013年にUS TOURをした時に、TOURを共にしたNAILSのドラマーでもあるTaylor Youngが所有するTHE PIT RECORDING STUDIOで彼のエンジニアの元にレコーディングされたんだ。

PALM_6俺達としては特別に何か新しい試みを試してみようと思って臨んだわけではないけど、機材から環境まで何から何まで日本とは違うから全てが新鮮だったね。

レコーディング中にTaylorもこうしたらどうだい?とかフレーズのアレンジを言ってくれたりして、普段自分達だけでは出てこなかったアイデアもあったりで、そういった意味ではあの環境、あのタイミングじゃないとできなかった作品だと思うし、 自分達にとっては凄く新しい試みだったと思うよ。

現在取り組んでいるプロジェクトはありますか?そして次回作に向けて、今どんな方向に向かっていますか?また、あなたが最近聴いているもので、何か音楽的に、または録音方法で新しいことを試そうと思うような、ひらめきを与えてくれるものはありましたか?(音楽でも、それ以外のものでも)

予定としては10月頃から新しいアルバムのレコーディング作業を開始したいと思ってるから、今はそれに向けて沢山曲作りをしてるよ。

全てスムーズに物事が進めば来年初頭にはリリースできると思う。

サウンド的には前作よりも更にダークで凄くブルータルでヘビィな作品になると思うよ。

個人的には常に色々な音楽を聴くのが好きだし、友達のライブを見たり、映画を見たり、本を読むのも大好きだ。

そして何より生きる上での生活の中でインスピレーションを受ける瞬間も沢山ある。

そういった中で影響を受けて、自分の中で消化してアウトプットしていく作業は自分的にはなんとなくあるけど、それが必ずしもバンドに全て反映されるわけではないし、その辺は曲が揃い次第メンバーの皆と最終的な方向性を話合っていく事になると思うよ。

Palmの音楽は、本当に枠にはまらないものだと思います。一曲の中でもあなたはまるでギアチェンジするかのようにクラストからカオティックハードコア、デスメタルからドロドロのドゥームまで変幻自在に変化します。あなたにこのような多様性をもたらしているものはなんだと思いますか?

俺含め今のメンバーは皆、本当に単純に色々なタイプの音楽が好きで、そこから多大なる影響を受けてるっていうのが根本的に多様性をもたらす結果になってるんじゃないかな?

意図して色々な要素を混ぜてるというよりは、曲作りをしてる最中にこういうフレーズやばくない?とか、この展開の後にこんなリフ、こんなリ ズムにしたいんだよねって言い合って自然と一つの曲になっていく感じだね。

11013496_822460987791167_8561161161266810734_nあなたはアメリカ、ヨーロッパ、アジアなど様々な国をツアーしていますね。また、オーストラリアにも3度行かれていると思います。日本と海外のシーンを比較して、何か違いに気付いたことはありますか?また、いわゆるメインストリームのPOPSではない音楽で生きていくことは、海外に比べて日本の方が簡単だと思いますか?それとも逆ですか?それとも、どちらも同じだと思いますか?

大きな違いを一つあげるとするならばやっぱり俺達が好んで聴くようなアンダーグラウンドな音楽だったり、ヘヴィーな音楽を好んで聴く人達の絶対数が日本に比べて海外の方が圧倒的に多いという事かな。

そして何より純粋に音楽が日本よりも、もっと生活レベルで身近にあって、それを皆が自然と楽しんでる様な気はするね。

比較する国にもよるとは思うけど、欧米なんかに比べるとメインストリームではない音楽だけで生きて生活していくには日本は本当に凄く難しいし、俺達みたいなバンドがセルアウトする事なく純粋にバンド活動を続ける事はなかなか大変な事だよ。

これはあくまで俺個人の意見だけどそもそも好きになってしまった音楽やバンドが、メインストリームで鳴らされるような音楽ではないのであれば、それだけで生活をしていけないからってセルアウトして流行りの音楽に寄せていったり、バンドで食えないから音楽をプレイするのを辞めたりってのはちょっと違うなと俺は思うよ…。

生活していくためにキチンと仕事もして、純粋に自分の好きな音楽だけを追求してクリエイトしていく事はとっても素晴らしい事だと思うし、そうやって素晴らしい作品を作って、素晴らしいショウをする人達を沢山知ってるし、根本的には皆そうあるべきだとも思うね。

日本では数多くのバンドが結成されてはすぐに解散していきますが、あなた方は国内において長い間活動を続けている稀有なバンドだと思います。何か、例えばレコーディングに多くの費用がかかったり、海外でのブレイクが難しいような現状の中でも長くバンドを続けていくための秘密などがあれば教えて頂けませんか?

皆に当てはまるかどうかは分からないけど、俺個人の意見はさっきの質問で言った事と被るけど、好きな事だけを純粋にクリエイトしてバンド活動を続けていきたいなら、まずキチンと生活をできる環境も自分で努力して作っていかないと駄目だと思うよ。

俺に関して言える事は秘密なんてものは何もなくて、色々な人に迷惑をかけてきた事も沢山あるし、色々な人の恩恵や協力があって、好きな事だけやって生きていきたいっていう一心でやってたらまだ続ける事ができてるし、なんとか生活もできているから、強い気持ちをもって一回きりの人生を悔いる事なく生きてくだけだね。

PALM_2個人的には大阪でHOKAGEというライブハウスを経営しているから、日本でももっと俺達みたいなバンドが長く続けていける様な環境を作っていきたいし、そうしていける様に試行錯誤して色々な事を考えているよ。

あなたは主に何についての歌詞を書かれていますか?創作的な物語でしょうか、それとも比喩的に何かを伝えようとしていますか?あなたが生きる社会の中で、何があなたをヘヴィな音楽へと向かわせ、またそれに乗せてあなたは何を表現しようとしているのでしょうか。

歌詞は基本的に生活の中で感じた事、思う事を書いたり、自分の心の底にある気持ちや、弱い部分、そしてそれに向き合っていけるように自分自身に対する事を書いたりする事がほとんどだね。

詩の表現としてジャックケルアックやアレンギンズバーグ、アルチュールランボー、三島由紀夫、最近は中原中也が凄く好きだったりするから、比喩表現としてのそういった人達の影響は個人的に凄く大きいと思うよ。

自分自身を何がヘビィーな音楽に向かわせているかは正直分からないけど、単純にこういったヘビィーな音楽、エクストリームな音楽が好きだし、こういう音楽に普遍的な人間としての生き方や、考え方、そして自分らしくあるために出てくる言葉は今の自分には凄くマッチしてると思えるし、社会や人間に対してもっとこうあるべきだとか、メッセージとして書いてるつもりはないけど、そ れに対して共感や興味を示してくれる人達が1人でもいるならば、純粋に嬉しい事だね。

Palmの今年の活動について教えてください。海外ツアーの計画は?また海外の人達はどこであなたの作品を買えばよいか、教えてください。

とりあえず来年初頭に新しいアルバムを出す事が最優先だね。それをリリースしてからまた海外にもツアーしに行きたいから、今少しずつそういうプランを立てて色々な人達と話をしてる最中だよ。

海外で俺達の作品やマーチを購入するならここから買うのが1番手っ取り早いと思うよ。

Music and merch: online at Deathwish or SHIRTKILLER.

PALM is: Toshihiko Takahashi [Vocals], Ryouta Sugimoto [Guitar], Yoshiyasu Morita [Bass], Kenta Nakanishi [Drums].

PALM play with Australian chaotic hardcore band Jack the Stripper, Nola, and Orcus Wednesday July 22 at Hokage.

Follow on FacebookTwitter, and Bandcamp for news and tour details.

 


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